STEP01
CAD (Vector Works) から3Dモデルを取り込む - その 1 〜クラス設定を使用する場合〜



■はじめに

パース目的では、内観、外観問わず、CADソフトでモデルを作成することが多いのではないでしょうか? 中でもVector Worksはデザインにおいては高いシェアを誇るソフトで、Minicadと呼ばれていたころからSTRATAの書き出しメニューを持ち、一時、隠しメニューになりましたが、簡単な操作でメニューに加える事が出来、STRATAへ3Dデータの書き出しをする事が出来ます。

「一時、Vector Worksからは削除されそうになったのですが、ユーザーの強い希望で、メニューとしては残っています。(但し、サポート対象外)」と聞いています ( A&Aより )。

Vector Worksのバージョン11と12では、通常メニューに戻っており、メニューのカスタマイズ無しに使用する事ができます。基本的には書き出すだけの作業なのですが、マニュアルのどこにも触れられていないのでここで、簡単に解説させていただきます。(Vector Works 2008は未確認です)




■実際の作成

まず、Vector Works側で3Dファイルを作成します。この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。このモデルは簡単に作ったモデルなのであまり中身は気にしないでください。


( 注意 ) 下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されています。このファイルはSTARTA 3D CXで開くことはできません。

Vector Works データ

STEP01_00.mcd.zip (4.4MB) <<<ダウンロードする


STRATAへ渡せるデータは、3Dになります。同じレイヤーに2D図形があっても無視されます。
2Dの図面を取り込むにはまた別の方法になります。ここでは3Dデータに関して話を進めていきます。




■01

基本的には、表示されている3Dオブジェクトのみを書きだします。
右の画像中のVector Worksは、バージョン12.5です。













(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを、以下の02〜05の手順で「StrataVision...」形式で書き出したファイルです。

Vector Works 出力データ

STEP01_01_strata.zip (292KB) <<<ダウンロードする





■02

このモデルを書き出します。
このモデルは、素材によってクラスを分けています。















■03

また、レイヤーも部材ごとに分かれており、書き出し用レイヤーを作って、全てのデータをコピーしています。















■04

Vector Worksでの書き出し操作は、3Dモデルを表示した状態でファイルメニュー/取り出す/StrataVision...を選びます。

このメニューは古いので、その頃STRATAはSTRATA VISION 3dというソフト名でした。保存ダイアログが出て、Mac版では「.strata」、win版では「.txt」の拡張子が付きます。Win版では、拡張子を「.txt」から「.mtxt」に変更します。ファイル名は任意です。

Mac版のVector Worksから書き出されたファイルは、Win版のSTRATAで拡張子「.strata」を変更する不要はありません。

Win版のVector Worksから書き出されたファイルも、Mac版のSTRATAでは拡張子の変更は不要ですが、古いバージョンでは拡張子を変更する必要があるかもしれません。(STRATA 3Dpro 3.6以前は必要という情報あり、未確認です)




■05

STRATAを起動し、ファイルメニュー /「指定形式で開く...」か、新規ファイル(新規でなくとも)で「読み込み...」を選びます。指定形式で開く場合、選択対象のファイル形式を「Minicadテキストファイル」に設定します。 

「読み込み...」を選んだ場合は、あらかじめ「全てのファイル形式」となりますので、そのまま対象ファイルを選択します。









この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5、STRATA 3D CX 5.5Jで作成されています。

STRATA 3D CX データ

STEP01_05_s3d.zip (6.6MB) <<<ダウンロードする


「読み込み...」で読み込んだ場合、モデル全体がひとつのシェイプとして取り込まれます。編集時にはシェイプに入るか、分解せねばならないので、私は「指定形式で開く...」のほうでやっていますが、どちらでも問題ありません。

また、以前のSTRATAのバージョンでは(CX5.0まで)、シェイプを取り込む際の座標の扱いが現在と違い、「指定形式で開く...」の場合と「読み込む...」で取り込んだ場合、原点の座標が、CADでの原点になるか、アクティブなウインドウの中心になるかの違いがありましたが、現在のバージョンでは統一され、いずれもCADで使用していた原点が保持されます。

このことは外部モデラー(CAD等の)で作成されたモデルをSTRATAで仕上げる上では重要で、部分的な修正や変更が出た際に、追加で読み込んだオブジェクトと、最初のモデルの座標が変ってしまっては困るからです。

「読み込み...」で取り込んだ場合、読み込むたびにオブジェクトがずれてしまうわけです。以前のバージョンをお使いで、そのような事象があれば指定形式で開くのやり方をお試しください。

また、修正部分などの追加の話は次回のステップで解説します。




■06

いずれの方法でも、読み込み時に「Minicad Reader環境設定」というダイアログが出て、若干の設定ができます。














【カラー情報の抽出】

STRATAのサーフェイステクスチャーに変換されます。画像のマップ等は変換されませんが、適用の対象は各ポリゴンになってしまい、STRATAにはテクスチャーごとで選択する機能はないので、実質、色を変えるくらいしか使えません。簡単に単色で色を付けて試したい、というような場合しか使えません。画像はガラス部の色に透明度を設定しただけです。











【クラスをシェイプとして抽出】

Vector WorksのクラスをSTRATAのシェイプに変換します。たとえば、このモデルは、外壁、内壁、天井、床、サッシ、ガラス、のクラスにわけてモデリングしてあります。このチェックを有効にすると、取り込んだモデルは 素材別にシェイプになり、個別に選択、着色することができます。











【メッシュをシェイプとして抽出】

現在のバージョンでは機能していないと思います。チェックをオンオフしてもなにも変りません。

以前のバージョン(いつだったか不明)では、指定形式で開いた際にオブジェクト全体を一つのシェイプになったと記憶していますが、現在はそうなりません。このスイッチは無視されているようです。いずれにしてもあまり意味はないと思います。(これは私の勝手な想像です。)



【メッシュをスムージング】

現在のバージョンでは機能していないと思います。以前のSTRATA VISION 3dの頃にポリゴンモデルにスムージングをかける際に、取り込み段階でスムージングがかけられたと思うのですが、現在のバージョンではポリゴンメッシュに変換してからでないとスムージングが機能しないため、無視されると思います。STRATA VISION 3d 5.5までの機能と思います。(これも私の勝手な想像です。)




■07

Vector Worksではクラス、レイヤー、部品、グループ、といった複数の階層構造を入れ子で保持、編集することができますが、STRATA側では、そういう概念はありません。グループと、それを登録する事でシェイプ、となるだけです。

そのため、モデル作成時に気をつけないとこのようになります。 












■08

ここでは一階のみ、サッシとガラスをグループ化してあったため、その部のガラスがサッシに取り込まれてしまいました。この程度ならばサッシのシェイプに入り、ガラス部ののみカット、ガラスシェイプ内部にペーストすることで修正することが出来ますが、複雑なオブジェクトになると、難しいかもしれません。












■09

もう少し正しくお話しますと、Vector Worksでは、グループ化すると、そのグループの属性ができます。グループ化したときにどの作業クラスにいたかで、そのクラスにグループ化したオブジェクトは属します。STRATAへ書き出されるとき、優先は一番上の属性ですので、グループ化されたオブジェクトは、その内部でどのようにクラスを分けてあっても、まとまったグループのクラスへ書き出されます。(取り込むSTRATA側でシェイプに振り分ける?)。










また、Vector Worksではリンクレイヤ機能を使って複数階のモデルを作成することもあるかと思いますが、その場合も、クラスをシェイプに変換、を選んだ場合、リンク図形が消えてしまったり、上手くシェイプに変換できなかったりします。
つまり、STRATA側で変換したシェイプと、入れ子になるグループが存在してはならない、ということです。リンク図形はグループ化されて書き出されます。 



それだけ気をつければ、変換したシェイプは簡単にテクスチャー設定が出来ますから、簡単におおまかなテクスチャーの設定ができます。もちろん、外壁シェイプの中に入って、細かく別々のテクスチャーを設定することもできます。 












【補足】

Vector Worksをお使いでない方のために補足します。Vector Worksでは、全てのオブジェクトはいずれかのクラスに属します。ですから、部分的にクラスを設定してシェイプに変換したい、というようなことは出来ません。

もちろん、取り込んだ後に不要なシェイプは分解してしまえばいいのですが。
 



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