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PitStop Pro 2017 リースノート

新しいPDFジオマッパーテクノロジー

PitStop 2017は、オブジェクトの選択または無視する独自の新しい方法を可能にすることにより、プリフライトと修正の可能性を広げる新しく革新的な技術を導入しました。
それが、PDFジオマッパーテクノロジーです。

例えば、プリフライトチェックでは、PDFファイルの「最終的なレンダリング範囲」または「印刷範囲」の前面にあるオブジェクトのみをチェックしたい場合があります。
隠れている要素や不要な要素は無視したり削除したりすることができ、ファイルの複雑な構造が軽減され、余計なエラーメッセージが表示されなくなり、データチェックに要する作業時間を一段と短縮できる可能性があります。

新しいテクノロジーは、余計なエラーメッセージの量を減らし、カットラインやデザイン構造情報などの不規則な形状の内側に限定したプリフライトチェックなどを実現し、この市場をリードします。

Enfocus社は、PDFジオマッパーテクノロジーを拡張して単一のオブジェクトだけでなく、重なり合う他のオブジェクトを考慮して、意思決定を可能にすることで、市場に対してソリューションを提供し続けています。

新しいPDFジオマッパーテクノロジーの特徴

PDFプリフライトで、PDFファイルの「レンダリング範囲」または「印刷範囲」のオブジェクトのエラーのみをチェックできるようにします。

PitStop 13にて、「制限アクション」を設けた新たなプリフライト機能を実現しました。これは、構造が複雑化するPDFファイルに対する市場課題を解決するために作成されたものです。
「制限アクション」は、PDFファイルの一部を指定してプリフライトまたは修正を実行することを可能にしました。制限はアクションリストテクノロジーをベースとしており、選択するアクションリストを使い制限をかけます。
様々な選択アクションリストの組み合わせによって、ページ制限、レイヤー制限、カラー制限、色版制限、テキスト、画像、ベクターのようなコンテンツ制限、または奇数ページ、偶数ページなどを組み合わせることが可能です。

PitStop 13 update 2では、カッターガイドや構造設計要素などの不規則な形状の内側を対象としてプリフライトチェックや修正を「制限」する機能を備えた独自のプリフライト機能をリリースしました。

表示オブジェクトの選択アクション

これは、印刷またはレンダリングするために必要な要素のみを選択しす。このアクションを使用して作成された標準搭載の制限アクションリストは、プリフライトプロファイルと伴に使用して、ファイルのレンダリングに必要な要素のみをチェックし、残りの部分は無視します。

pp2017-Select-Visible Objects-Action

重なったオブジェクトの選択アクション

ジオマッパープロジェクトによって作成されたもう1つの新技術。
従来のプリフライトソリューションは、単一のオブジェクトの属性のみをチェックします。以前のPitStopバージョンを含む通常のプリフライトソリューションは、プリフライトチェックを実行する際に、基礎となるオブジェクトや重なるオブジェクトを考慮することができません。
PitStop 2017では、この方向への第一歩を踏み出し、相互作用する他のオブジェクトとの関係に基づいてオブジェクトを選択することができます。これにより、PDFプリフライトのチェックと修正のための全く新しい可能性が開かれます。

このバージョンでは、この技術に基づいたいくつかのアクションリストが標準搭載されています。最初のアクションリストは、すべてのイメージに重なるニスの版があるかどうかを確認するものです。他の2つは、暗い背景の上に乗った黒いテキスト、または明るい背景の上に乗った白いテキストの読みやすさの問題をチェックします。
これらの3つのチェック項目は、変更して調整することができます。したがって、自分の要件に基づいて独自のチェックや修正を作成することができます。

pp2017-Select-Overlapping-Objects-Action

デバイスリンクプロファイルの改善

PitStop ProとPitStop Serverには、標準のICCプロファイルに基づく40種類のデバイスリンクプロファイルが追加されており、CMYK – CMYKの色変換に活用することができます。
これらは、インキ量の管理、および1つの印刷条件から別の印刷条件へのPDFファイルの変換に役立ちます。「Fogra」から「GRACoL」または「SWOP」に、またはその逆へ変換。これらの高品質プロファイルは、Enfocusの姉妹会社の「X-Rite」のサポートを得て、追加しています。

制限を適用してインキ量を確認する

パッケージ、ラベル、およびラージフォーマットのお客様に特に便利なインキ量のチェック機能は、ユーザーが指定したインキでチェック機能が動作し、「白版」や「ニス版」などの名前付きの版を無視できるように改善されました。これにより、実際の印刷インキのみがチェック対象とされるため、より正確なチェックが行われます。

新しいインスペクタのインターフェイス

PitStop Proには、PDFファイル内の透明度グループを直接分析して編集するための新しいインターフェイスがインスペクタに追加されました。さらに、PDF内で使用されるマスクについての情報を提供する新しいオプションもあります。マスクされたオブジェクトが選択されると、マスクのタイプに関する情報を見ることができます。また、マスクをさまざまな方法で視覚化できる新しいマスク表示モードがいくつか追加されました。この機能は実際のPDF自体には影響しません。純粋にそのファイルの診断と分析のためだけに、その構造をよりよく理解するために使用するツールです。

pp2017-Inspector

長方形や角丸長方形をPDFページボックスのサイズに作成

例えば、丸い角の付いた四角形(ダイライン)を自動的に生成することができます。長方形を追加するには、多くのユーザーがPitStopで 「オブジェクトの追加」アクションを使用して実行してきました。この機能の欠点は、固定サイズのみで可変サイズに対応していませんでした。多くのユーザーからの要望があり、PDFページボックスに基づいて矩形を生成する機能が追加されました。ページボックスの値、静的な値、変数を組み合わせて、望む結果を得ることができます。

pp2017-add-object

「ページを並べ替え」アクション

もう1つ多くの要望から追加した機能は、PDFファイル内でページを自動的に並べ替える機能です。これは新しい「ページを並べ替え」アクションで可能になりました。このアクションは、とても柔軟性があり、ユーザーが独自の並べ替え規則を定義できるようにしました。さらに、一般的によく使用される並べ替え規則が標準搭載されています。

pp2017-Re-order-Pages-Action

「ページを削除」アクション

とても単純な新しいアクションです。これは単にページを削除します。
削除するページを定義するには、「ページの選択」アクションと組み合わせて使用する必要があります。

pp2017-Remove-pages-Action

「選択対象の拡大縮小」アクション

この新しいアクションを使用すると、PDF内のオブジェクトを選択し、固定値、変数、パーセンテージ、ページボックスなどのさまざまな設定でサイズを変更できます。この機能では、拡大縮小されるオブジェクトの基準点とサイズ変更の方向を指示することもできます。

pp2017-Scale-Selection

「ページサイズに合わせて拡大縮小」アクションが改善

以前より柔軟性があり、必要に応じて高さと幅を個別に変更できます。

pp2017-Page-Size-Action

プリフライトプロファイルエディタの新しい追加機能

プリフライトプロファイルエディタに新しいチェックと修正を追加しました。
これらの機能は、以前はアクションとして存在していましたが、プリフライトプロファイルエディタに直接配置することで、それらをよりアクセスしやすく使いやすくしました。

プリフライトプロファイルエディタ追加項目1

「その他のオブジェクト」に「フォームフィールド」に対するチェックと修正の項目が追加されました。

pp2017-Form-Fields

プリフライトプロファイルエディタ追加項目2

「フォント」に「破損したフォント」に対するチェック項目が追加されました。グリフやメトリックス情報が含まれていないことで破損していると判断します。

pp2017-Corrupt-Fonts

カット/コピー/貼り付け機能の改善

バージョン13のリリースで追加したカット/コピー/ペースト機能は非常に普及しています。このバージョンでは、貼り付けアクションに機能を追加しました。このオプションを有効にすると、貼り付けられたオブジェクトは「Form XObject」に配置され、後でペーストされるために再利用されます。
この改善によってオブジェクトはPDF内に物理的に1つしか存在しないため、ファイルサイズは最小限に抑えられます。

pp2017-Cut-Copy-Paste1
pp2017-Cut-Copy-Paste2

新しいプリフライトレポート

新しいプリフライトレポート機能を使用して、PDFファイル内のレイヤーの存在と構成を検証しレポートすることができます。プリフライトプロファイルエディタで新しいチェックと修正を利用できます。

コンテンツグループに正しい名前を付けるレイヤー機能は、ますます普及しています。ユーザーを支援するため、PDF内のレイヤーとそのプロパティ情報をプリフライトレポートに追加しました。
このレポートには、今後の普及が予測されるISO 19593-1プロセッシングステップの仕様である、PDFレイヤーのメタデータ(OCG)に基づきレポートされています。この新しいオプションは、プリフライトプロファイル設定内でオンとオフを切り替えることができます。デフォルト設定は「オン」です。この情報は、PitStop Server 2017のXMLレポートにも表示されます。
※Optional Content Groups(OCG)

「選択対象のログ」アクションを使用してレイヤーの有無を確認できます。
名前付きレイヤーに関するもう1つの小さな改善点は、名前付きレイヤーがPDFに存在するかどうかを「選択対象のログ」アクションで確認できるということです。これは以前のバージョンでは不可能でした。
※事前に確認したい特定のレイヤーを名前で選択する必要があります。

その他の改善と更新

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