PitStop Server 13 アップデート2 リリースノート
いくつかの新しい機能を実装する背景
■ ISO 19593-1
作業順序とデータの内容が関連づいたPDFの使用
ISO 19593-1は、現在ISOのTC130に関わる委員会によって開発に取り組まれている、新しいPDF標準規格の1つです。ここでは、PDFレイヤーまたは、オプショナルコンテンツグループについて、多種の要素によって複雑なPDFファイルがどのように作られて行くのかを、明確にします。この仕様は、パッケージ印刷、ラージフォーマット印刷、ラベル印刷のためにつくられています、但し専用のものではありません。
この仕様は、最初にゲントワークグループによって設計されました。そして現在ISOへ引継がれ進行していますが、まだ公開されていないものです。標準化されているPDFファイルが、どのように作成されたのかを示したサンプルPDFファイルが、ゲントワークグループから用意されています。
作業順序(プロセッシングステップ)がPDFファイルのメタデータとしてレイヤーの属性が記述され、レイヤーの表示上の名前は、実際には関係がありません。
これは、標準に準拠しながらレイヤー名を、別の言語にローカライズすることができることを意味します。
異なるプロセッシングステップレイヤーに属するオブジェクトや、ファイル内でお互い影響し合う他のコンテンツをどのように扱うべきなのかの必要条件が存在します。これらはオーバープリント設定やオブジェクトのブレンドスペースとタイプなどが含まれています。
PitStopのこのバージョンには、この新しい標準規格をサポートする為の選択のためアクション、修正のためのアクション、そしてプリフライトチェックのためのアクションの3つの新しいアクションが含まれています。皆様に取り組みはじめていただけるよう、少数ですがアクションリストを含めました。
この標準規格は、まだ策定途中の段階にあり、まだ確立されていないことをご理解ください。但し、現状と策定結果との間にいくつかの追加があったとしても機能を調整することができます。また、追加機能として、次期バージョンのプリフライトプロファルも準備します。
私たちEnfocusでは、これがパッケージング、ラベルおよびラージフォーマット市場向けに新たな基準を作成するだけでなく、他の誰もが特別な仕上げやエフェクトを使用してPDFファイルを作成するのに非常に興味深く、重要なステップであると捉えています。ユーザーが標準機能としてテストを開始する機会を与えるために、今、このタイミングでこの機能を解放することを決めた理由です。これらの新しい機能を使用すると、実際の生産プロセス内での効果をテストして評価することができると考えています。近い将来、この基準が組み込まれたアプリケーションを目にすることができるでしょう。我々は、ソフトウェアアプリケーションやワークフローなどに組み込んでいきます。
■ パッケージングプリフライト
印刷産業の中で大きく成長している1つが、パッケージ印刷市場です。他と比較して、ファイル作成とプリフライトについて、パッケージング業界はとても特殊だと言えます。一般的に、ファイルが非常に複雑になる傾向があり、PDFのページボックスを使用せず、スポットカラーがたくさん含まれ、特に、医薬品やタバコなどの包装は、法律上の規定が多くあります。また、パッケージング業界では、レイヤーを多用することが一般的で、製版上の仕上げ情報と構造がPDFファイルに含まれています。これは、前述のISO仕様がとても興味深い理由となりますが、パッケージング業界で扱われているPDFファイルをプリフライトしようとした時に少なからず論点となります。PitStop 13には、より複雑な構造のPDFファイルを対象としてプリフライトを可能とする、特定の制限を設けたプリフライト機能が追加されたことをご存知かと思いますが、これはパッケージングだけではなく、従来のデジタル商業印刷を含む、ラージフォーマットやラベルなどにも有効となります。
この最新のPitStopのリリースでは、我々はいくつかの具体的なパッケージングのプリフライト機能を追加しましたが、これはEsko社製のアプリケーションで作成したPDFファイルに基づいています。Esko「ノーマライズド」PDFが作成されると、メタデータにオブジェクトの属性とインキの属性が含まれます。この2つの領域に焦点を当てたPitStopのアップデートでは、バーコードとインキです。我々は、Eskoメタデータを活用するためのいくつかの特定のアクションと、標準的なアクションリストを追加しました。バーコードやインキを確認するのに役立ちます。
特にバーコードは、他のラインアートと異なるものとして扱うことができませんでした。メタデータから作成されたマーカーとして特別扱いできることで、他の一般的なラインアートと差別化することができるため、とても利用価値の高いもと考えています。明らかに、Eskoで作成されたファイルに限定された機能ですが、Eskoユーザーのみならず、パッケージング市場に関わる方に使っていただけると考えています。
新たな特徴と機能について
- RetinaをサポートしたAdobe Acrobat DC update 3以降で、PitStopアイコン「小さなレッドレゴブロックアイコン」と「大きなイエローレゴブロックアイコン」を表示
- プリフライトプロファイルエディタからダイレクトにアクションリストを、取り込み/書き出しおよび編集が可能でしたが、このアップデートによって、アクションリストの新規作成まで可能となりました。
- 最新のPantoneライブラリを搭載。112の新しいカラーが含まれています。
- 内側の輪郭を選択するためのアクションを改善
- 「制限」機能の処理スピードを改善
- プリフライトで「線幅」を指定して自動修復できるように改善
- PDFファイルに添付されたファイルの削除が可能なアクションを追加
- PDFファイル内部のオブジェクトレベルXMPメタデータの削除が可能なアクションを改善
- ページ追加アクションを改善
- オブジェクトの版数をチェックするアクションを新たに追加
- ナビゲータに表示する画像解像度のレポートを改善
- 選択したオブジェクトをマウスの右ボタンクリックしてPDFレイヤーを指定することが可能
- PDFを画像化する際にアンチエイリアスをオフに設定することが可能に改善
- 輪郭の切れ目を閉じるアクション(カッターガイドまたはダイラインなどに有効)
- シェーディング(ブレンド)を画像へ変換するアクション
- ISO 19593-1 プロセッシングステップでレイヤーを選択するアクション
- ISO 19593-1 プロセッシングステップでレイヤーを変更するアクション
- ISO 19593-1 プロセッシングステップでレイヤーをチェックするアクション
- ISO 19593-1 プロセッシングステップに関するメタデータを削除するアクション
- Eskoバーコードを選択するアクション
- Eskoバーコードのタイプ(種類)によって選択するアクション
- Eskoバーコードのタイプ(種類)をチェックするアクション
- Eskoバーコードの値をチェックするアクション
- Esko Normalized PDFに含まれるXMPメタデータのスポットカラー(特色)を選択するアクション
新たな標準アクションリスト
- ページを画像に変換。100dpi、200dpi、300dpi
- シェーディング(ブレンド)を画像に変換。300dpi、高品質JPEG
- PDFに添付されているファイルまたは情報を削除。
リリースノートアーカイブ
- PitStop Server 24.07 リリースノート
- PitStop Server 24.03 リリースノート
- PitStop Server 2023 アップデート1
- PitStop Server 2023 リリースノート
- PitStop Server 2022 アップデート1 リリースノート
- PitStop Server 2022.0.1アップデート リリースノート
- PitStop Server 2022 リリースノート
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- PitStop Server 2020 アップデート1 リリースノート
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- PitStop Server 2017 アップデート1 リリースノート
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- PitStop Server 13 アップデート1 リリースノート
- PitStop Server 10 リリースノート
- PitStop Server 09 リリースノート
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- PitStop Server 4.0.4 リリースノート